2026年3月18日

当センターの作業療法 ~食具の操作について~

作業療法士

当センターでは、運動や手先の不器用さがある方、身体の発達がゆっくりな方から、「スプーンや箸がうまく使えない」といったご相談を多くいただきます。今回は、食具操作に対してどのようなサポートを行っているのかをご紹介いたします。

道具操作をする前に

道具の操作には、指先の動きだけでなく、基礎的な運動発達が大切です。

姿勢が崩れやすい、腕や手指の動きがぎこちないといった様子がある場合、まずは身体全体の発達を促す支援を行います。遊具などを用いて身体を大きく動かす遊びを取り入れ、体幹や腕の支持力を育てます。

また、腕全体を動かすだけでなく、手首を返す動き(回内・回外)なども取り入れ、食具操作につながる動きを段階的に練習していきます。

スプーン操作

お子さまの手指の発達段階に合わせた握り方で、操作が上達するよう支援します。

はじめは手を添えながら、動かし方や力加減を丁寧に伝えていきます。最終的には、親指・人差し指・中指の3指で安定して握り、食べ物をすくって口へ運ぶ一連の動作が自立して行えることを目標に練習を進めていきます。

箸操作

スプーンが3指で安定して操作できるようになってきたら、補助箸を用いて箸の経験を促します。

バネ付き補助箸

最初はバネが付いている補助箸を使用し、自然に開閉できる状態で「箸でつかむ」経験を積みながら、正しい持ち方を習得していきます。

上部がつながっている補助箸

介助なしで操作ができるようになったら、上部がつながっている補助箸へ移行します。自分で開閉をコントロールする練習を行い、より主体的な操作を促します。

さらに、つかむ物の素材(やわらかい物・滑りやすい物など)に合わせて力の調整ができるよう、難易度を調整しながら関わっていきます。

その後、段階的に通常の箸へ移行できるよう練習を重ねていきます。


食具の操作は、「食べる」ことだけでなく、自信や自立心の育ちにもつながる大切な経験です。お子さま一人ひとりの発達段階に合わせ、無理のないペースで支援を行っています。

ご不安なことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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