2024年11月11日

脳波について

三河青い鳥医療療育センター  臨床検査技師

【脳波検査とは】

脳波は大脳の神経細胞の活動電位を連続的に記録した波形です。記録により脳の発達過程や、基質 異常、意識(睡眠)状態、てんかんなどの疾患について調べることができます。 新生児や乳児、加齢による脳波変化や睡眠深度や障害を疑う場合、てんかんの発作性意識障害の鑑別、意識レベルの評価、頭部外傷等で中枢神経系の異常を疑う場合等に行われます。

当センターでは主にてんかんの診断と治療経過の判断に不可欠な検査です。

てんかん発作の症状の変化や抗てんかん薬の効果は脳波で経時的にみていく必要があります。

【脳波検査でわかること】

脳の活動の状態や発作が起きていなくても、てんかん特有の波形が出ていないかどうか、また検査中発作が起きたときはその時の波形もとらえることができます。

【検査の方法】

ベッドに横になってもらい、頭部に20個以上の電極をクリーム状の糊で装着します。電極が外れないように包帯で頭全体を巻き、動いても外れないようにします。

おおよそ電極装着から検査終了まで1時間半位ですが人によって時間は異なります。

必要に応じて開閉眼、光の点滅刺激、3分間の過呼吸(深呼吸)、睡眠などの負荷を行いながら記録します。睡眠が難しい方へは睡眠導入剤を使用することもあります。

検査中は脳波の記録と同時にビデオで映像として記録しています。これは発作が起きた時などに脳波の記録と合わせて確認するためです。

【検査を受けられる患者様やそのご家族の方へ】

電極装着中、頭に触れられることや、じっとしているのが苦手な方もいますが、痛みや危険が伴う検査ではありません。緊張や不安がない状態で検査に臨んでほしいと思います。

初めてで不安な方には事前に脳波室を見学してもらい緊張感を減らしてもらいます。

また検査中、実際眠ってもらうのですが、それは入眠期(うとうとしている頃)に異常波が出やすいからです。そのため覚醒時から入眠時、睡眠時の脳波を記録する必要があります。自然睡眠が望ましいのですが、入眠困難である場合は医師に睡眠導入剤を処方してもらいます。睡眠導入剤を使用した場合は、検査終了後もふらつきなど残る場合がありますので注意してください。

なるべく薬に頼らず自然に眠ることができるように空腹を避け、寝不足の状態にしていただいたり、検査前に眠らないようにしてもらうなどご家族の協力も必要となります。

また普段使用している寝具やお気に入りのぬいぐるみやタオルなど落ち着けるグッズなどがあれば持って来ていただいても構いません。小さいお子さんはご家族の方に添い寝をしてもらうこともあります。

検査を受けることになり不安のある方は臨床検査技師までご相談ください。

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