2026年3月16日

発達障がいの主治医をつくろう

楢原 翔 小児科医師

 私たちの外来には、他の子と同じようにできないことがあったり、なかなか指示に従ってくれなかったり、危なっかしくて目が離せなかったりする「発達障がい(神経発達症)」のお子さんたちが毎日たくさんいらっしゃいます。

 発達が他の子とくらべてゆっくりな「知的障がい(知的発達症)」のお子さん。

 コミュニケーションが苦手でマイペースな「自閉スペクトラム症」のお子さん。

 じっとしていることが難しくて失敗しがちな「注意欠如多動症」のお子さん。

 彼らを育てるのはとっても大変です。朝起きて、ご飯を食べて、着替えて、園や学校に行き、遊んで、お風呂に入って、眠る。そのひとつひとつに困りごとの種があって、お母さんお父さんを悩ませます。周りの人に相談してもなかなか理解してもらえないこともあります。

 私たち小児科医は、そんなご家族の悩みを少しでも楽にできればと思っています。

 私たちの外来にはじめていらっしゃったお子さんについては、まずお母さんお父さんや保育・学校の先生方からのお話をうかがい、実際に診察し、心理検査などを行い、お子さんの発達の凸凹を評価します。そして、必要と思われる支援にあわせて「発達障がい」の診断をします。

 実際の支援の方法はさまざまです。地域の集団療育(児童発達支援事業所、放課後等デイサービスなど)を案内したり、作業療法・言語療法を行ったり、状況によってはお薬を処方することもあります。

 そしてなにより、お子さんの日々の困りごとをどう考えて、どう向き合ったらいいかを、お母さんお父さんと一緒に考えていきます。

 ちょっとしたコツでうまくいくこともありますし、なかなか解決策が見つからないこともあります。励まし合うだけの外来になることもありますが、それでもなにか一つ、明日からの生活に役立つヒントを持って帰っていただけるように頑張っています。

 せっかくなので、最後までこのコラムを読んでくださったお母さんお父さんに、今日から使えるアドバイスを。

 子どもをほめましょう、というのは耳にタコができるくらい聞いてきたと思います。でも、子どもをほめるというのはお母さんお父さん自身の心に余裕がなければできません。なのでまず、お母さんはお父さんを、お父さんはお母さんを、お互いにほめ合うところから始めてみてください。一日一回、寝る前にでも。

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